人と野生動物の違いは道具の使用にある
野性動物は先天的に獲得した肉体の力によって生きる
人は後天的に獲得した道具の力によって生きる
しかも道具は常に改良される
人が野生状態を脱し、文明を獲得したのは
ひとえに道具の使用と、その改良によるのだ
道具とは、宇宙に存在する全ての中から材料を求め、選び、加工し、
人が生きるために有用な何物かとして
作り出され、存在するものなのだ
この定義によれば、住宅も、都市そのものも
人にとっては”道具”なのだ
人の生活は道具の使用と不可分である
ある道具の使用を少数の人々が独占したら
その人々は特権階級となるであろう
ある道具の使用を妨げられる人々がいたら
その人々は被差別民ということになる
憲法が人権の平等を謳っても
道具の使用に不平等があれば
その社会は本質的に不平等社会である
人は生まれながらに、異なる条件を与えられている
異質な条件を包み込む汎用性の大きなデザイン
それがユニバーサルデザインだ
少数者を切り捨てることなく
全ての人が文明の恩恵に与かれるようにすること
そうした方向に努力すること
それがユニバーサルデザインだ
これは”技術の民主主義”なのである
ユニバーサルデザインの別名は
”Democracy of Technology”である
この言葉を合言葉に
全世界の技術者、生産者は未来を切り拓いてほしい
それが私の心の底からの願いである
原則1 汎用性 だれでも使える
原則2 簡明性 だれでも分かる
原則3 安全性 何をしても安心
汎用性の本来の意味は多用途性のことです
用途を限定しないという意味です
ユニバーサルソフトは汎用性に独自の意味を持たせています
汎用性を汎人間性の意味で使っているのです
使う人を限定しないという意味です